2016年09月14日 博物館より反米精神のインパクト絶大に軍配の巻。
 目覚めると間もなくテヘランでした。

 テヘラン駅から地下鉄でエマム・ホメイニ駅に移動し、イラン考古学博物館に行きました。紀元前6000年から19世紀までの重要な美術品を集めたイラン最大の博物館です。

 ペルセポリスの謁見図、階段のレリーフ、牡牛の柱頭などペルセポリスゆかりの貴重な品が現地の博物館にはなくここに保存されています。朝一番だったせいか中はほぼ貸しきり状態でした。じっくり見られるとはいえ、やはりガイドがいると楽しみは倍以上でしょうね。その点が惜しまれます。ちなみに写真撮影は禁止です。


↑入場料チェック。外国人は300000IRR。イラン国内一の高さではないでしょうか。地元民の価格は調べるの忘れました。多分一桁違うでしょうね。

 博物館を出て次に向ったのは旧アメリカ大使館跡地です。あのイラン革命の最中に起きたアメリカ大使館襲撃事件の現場です。街のど真ん中にあります。


↑大使館跡地の壁画です。自由の女神が骸骨になっております。


↑米兵が人質になった時の写真が看板となって掲げられております。どこまでアメリカのことを憎んでいるのでしょうか。


↑くたばれUSAだそうです。地下鉄の階段を昇って地上に出るといきなりこれが飛び込んできます。

 午後になりましたからホテルを探します。エマム・ホメイニ駅から東へ徒歩10分のところが安宿密集地のようです。マシュハドホテルのシングル部屋に決めました。一泊500000IRRです。イラン旅行初日に泊まった汚いマシュハドの個室が700000IRRでしたからマシュハドは聖地なだけあって特別なんでしょうね。日本でいえば京都みたいなもんでしょうか。とはいえ、ホテルの部屋は大通りに面しており車の騒音が気になります。明日出国ですから我慢しましょう。

 荷物を置きシャワーを浴びて再びテヘラン観光。次に向ったのは世界遺産・ゴレスターン宮殿です。テヘランが首都になった後、ガージャール朝の王宮として使われたところで、美しい庭園と7つの博物館を楽しむことができます。

 さっそく行ってみましたが・・・


↑入場料とは別に各博物館の入場料が細かく分かれているのです。これは外国人向け料金表。注目は最後の行のTOTALで940000IRRですから約2700円くらいになります。


↑こちらは現地人用料金表。合計210000IRRとなってますから約620円くらいでしょうか。この差は無視できない。

 そこで、博物館見学は早々に諦めて入場料だけ払って中に入りました。


↑庭園と後ろは博物館です。もちろん私は博物館には入れません。

 30分くらいで見終えて外に出ました。


↑イランは衛生環境がよくトイレはどこも水洗で手洗い場には必ず備え付けの液体石鹸が常備されてます。また、テヘラン市内を歩いているとこのような水のみ場が設置されております。飲んでみましたがお腹を壊すことなく普通に飲めました。これは便利です。はっきり言ってヨーロッパ先進国より衛生的です。

 他にも博物館は市内に充実してますがどこもかしこも外国人料金制度なのでとっとと諦めてテヘラン中心地から南にあるホメイニ師の霊廟に行くことにしました。24時間空いている上に地下鉄の駅に隣接、しかも外国人にも解放されていてなおかつ無料。行くしかにでしょう。

 で、行ってみました。


↑でかいことでかいこと。そこにペルシャ絨毯が敷き詰められています。まさに国家の威信の塊です。


↑ここにホメイニ師が眠っています。人は大勢いるのですが静かであり荘厳。決して威圧感はないのですが神聖さはびんびん伝わってきます。

 いい物を見せていただきました。さぁ最後にもう一仕事です。明日の深夜に私はイランを離れます。もちろんテヘランの空港から出国するのですが、入国初日の日記に記したとおり国内線と国際線で空港が分かれております。羽田と成田のようなものです。

 国際線の空港の場所がテヘラン中心地から南西方向にあり、今いるホメイニ廟はその中間点にあたります。なんとか公共交通機関だけで国際空港に行きたい(でないとタクシーになり暴利をむさぼられることになります)ので日が照っているうちに今から予習をします。

 地下鉄駅近くにバスが止まっていたので運転手に「フォルテゥガー?(ペルシャ語で飛行場?と聞いてます)」と尋ねると、ここからはタクシーしかないとのことです。一歩前進です。

 次に地下鉄に乗って北へ。ひと駅移動してシャヘッド駅に行きました。実は厄介なことに各地下鉄駅に設置されてる路線図にはこのシャヘッド駅から国際空港に行く路線が枝分かれして描かれています。誰が見たって「おぅ、国際空港と市街地は地下鉄で結ばれているのか」と思います。が、事実はそうでなくつながっておりません。つなぎたいなぁー、つなぐと便利だろうなぁーというテヘラン市民の願望が先行する形でそれが記されているのです。どうです厄介でしょ!

 で、シャヘッド駅に移動。外に出ると、そこは路線ミニバンのターミナルとなっており大勢の人でごったがえしておりました。どれが空港行きなのか皆目見当がつきません。これでは埒が明かないので目線を変えて遠くを見ると駅を背にして右方向に青色のバスが数台待機してました。乗客を観察すると大きな荷物を持っている人が数人。「もしや・・・」 運転手に「フォルテゥガー?」と尋ねると「そうだ」と言うではありませんか。まず間違いないでしょう。実際に乗って確かめるわけにはいきませんので調査はここで終了。これやって明日の日没後にここに来るのと、前日に予習してから来るのとでは精神的余裕が違います。何しろ出国がかかるフライトですからしくじりは許されません。

 帰り際、場違いなアジア人の私に地元民が近づいてきて「空港か?200000IRRで乗せてやる」と来ました。タクシードライバーです。テヘラン中心地からだと700000IRRですから格安にはなりますがバスでいけるなら桁違いになります。何としても自力でテヘラン中心地と国際空港を公共交通機関で結ぶ路線を発見したいものです。明日、その結果が判明します。楽しみが一つできました。


↑シャヘッド駅前のこの青いバス。これが国際空港行きらしいですが果たして・・・。明日、結果が出ます。
収支
イラン考古学博物館 -300000IRR
ホテル -500000IRR
ゴレスタン宮殿 -150000IRR
コーラ1.5L、水1.5L、チョコレート、紅茶パック -260000IRR

残り
808000IRR、370$、10000円、35.85MYR

レート
1$=103円 1$=35400IRR(イランの通貨 リエル)
2016.09.13 2016.09.15
Index
TOPへ戻る