2016年09月13日 見所少ないかも・・・的中の巻。
 列車は終点タブリーズ駅に到着しました。最初の仕事は帰りの列車の切符を手に入れることです。今晩中にタブリーズを出てテヘランに向います。つまりタブリーズは日帰りです。多分、見所も多くはないだろうと思って当初からそのように計画しましたが実際足を運んでの感想は、「やっぱり日帰りでよかった」であります。午後7時50分発の切符を買うことができました。


↑タブリーズ駅正面の大通り。国旗が威勢良くたなびきます。

 まずはタブリーズから南へ50キロの奇岩が立ち並ぶキャンドヴァーン村に行きます。地歩によると行き方は、駅前のバスターミナルから出るミニバスに乗りオスクーに行きあとはタクシーです。約1時間でオスクーに到着。しばらく近所を徘徊しましたがやはりタクシーしか足はないようです。先客が乗っているタクシーに同乗させてもらい村へ向います。料金は120000IRRとなりました。村に向う一本道を進むと村の入り口らしき検問所みたいなところにさしかかりました。入場料を徴収しているようです。運転手は金を払わず短い言葉を交わすと車を走らせました。そしてようやく村へ到着しました。さぁ料金支払いです。120000IRR払うと、あと20000IRR払えと言ってきました。入村料だそうです。え?さっき金を払ってなかったじゃねぇか!もちろん払いましたが、恐らくこいつの懐に納まることでしょう。大馬鹿野郎め。「帰りは何時に戻る?」と聞いてきました。「帰りは100000IRRにしてくれ」というと「ダメェ」ってなことを言いやがるから「二度と乗らねぇ」とおっさんとは縁を切りました。誰が乗るか!!


↑ここがキャンドヴァーン村です。トルコの世界遺産、カッパドキアのミニヴァージョンです。この奇岩に人が住んでます。何せ村ですから。


↑奇岩と私。


↑近くによるとこんな感じです。中をくり抜いて住居にしているのです。電気もあります。


↑奇岩と私 その2。

 奇岩が目の前に飛び出すと驚きましたが慣れればどうということはありません。さぁタブリーズに戻りましょう。問題は足です。バスはないし、タクシーもなさそうです。ヒッチハイクしかないかなぁ・・・と思いながら来た道を戻って歩いていると一台のバスが路肩に止まっていました。バスの近くにいた人に「オスクーに行きたいんだけど・・・」と話しかけると「通りかかるタクシーを呼びとめるしかないね」と通るたびにタクシーを止めて交渉してくれますがどうしても乗ることができません。

 すると、バスに乗る大勢が村から歩いてきました。万事休すと思っていたら「乗せてやるよ」と言うではありませんか!!


↑この方がバスに乗せてくれました。


↑バスの中で記念撮影。バスの中で歌合戦がはじまり「お前も歌え」ときましたので、乗せてくれたお礼に「上を向いて歩こう」をワンコーラス熱唱。バスに乗せてくれるなら一曲歌うのなんてお安い仕事であります。

 人情ふれあいバスの旅INイランで、オスクーに到着しました。乗せてくれた皆さん、誠にありがとうございました。

 次はタブリーズ行きのバスの乗り場を探すことです。うろうろしていると若い人がいたのでバス乗り場を訪ねると「あっち」と教えてくれました。「ありがとう」と歩き出してしばらくすると車が一台、横に止まりました。「タブリーズに行くから乗りなよ」と、助手席に乗るさっきの若者が声を掛けてきました。「いいの?本当?じゃぁ乗ります」と乗せてもらいました。


↑運転手は若者のお父さんで息子を大学に送るところだそうです。

 つたない英語ではありますがいろいろとお話をしました。日本の車は高くて買えないらしい。「イランはそこらじゅうでプジョーが走ってるが、日本なら高級車だよ」というと「フランス製ならね。あれはみんな国産で性能が悪い」んだそうです。

 また、「日本とイランの往復が約$300だった」と言うと、えっらい驚いてました。イランでもこの値段はアンビリバボーなんですね。

 タブリーズの中心地に到着し降ろしてくれました。ありがとうイランの親切な親子お二人。いやぁー、行きのタクシーと縁切っといて本当によかった。

 さてタブリーズは世界遺産の街です。ここのバザールが世界遺産に指定されております。さっそく行ってみましょう。

 バザールに到着。日帰りの難点はバックパックを背負ったまま歩き回ることですね。疲れた上に腹が減ったので店を探しました。そろそろイランの代表的な料理、アーブグシュートを食べたいですね。地歩に書いてある地下にある店に入りました。街中にある定食屋さんといった感じです。


↑出ました!国民食のアーブグシュート。壷の中にトマト煮込みが入ってます。ハンマーみたいなのでつぶしてナンにつけて食べます。

 早速、壷の中身をつぶそうとするととなりにいたおじさんが「待て」と言って正しい食べ方を伝授してくれました。まずはつぶさずスープだけを取り皿に移してナンでたべるらしいです。で、味はというと「・・・。」って感じでしょうか。まずくはないですが格別くまいわけでなく。しかし、帰国してイラン料理が食べられるかって考えたら東京にでも行かない限りたべられないでしょうから、これはこれでいい思い出作りになります。ごちそうさまでした。


↑こんな感じで地元の若者が食べてます。

 さてバザールを徘徊しましょう。


↑これ怪しい。中国の偽ディズニーの遊園地といい勝負。


↑イランといったらこれ。絨毯でしょ、絨毯。でもこのエリアはとっても閑散としてました。店主が売り物の上で寝てたりして。

 1000年異常の歴史がある世界遺産のバザールだからといって特別かというとそんなことはなく、どこの街にもあるバザールと雰囲気はまったく同じです。イラン国内数箇所を回りましたが地域固有の特徴というのがつかめずどこもかしこも似た景色、似た雰囲気です。日本と違い、四季がはっきり分かれてないからでしょうか。日本なら北と南では雰囲気が全然違いますがここイランではそのような変化は感じ取れません。率直な感想です。刺激というてんではインドの方が格段に上ですね。間違いなく。


↑タブリーズのランドマーク、アルゲ・タブリーズ。14世紀初頭の城塞。高さ約50メートルとでかいが損傷が激しい上に、この建造物しか残っていない。ここは本当に見所が少ないのです。

 駅の戻りテヘランに向います。2夜連続の寝台特急泊です。

 私、5日間のフルムーン切符買って夫婦で、サンライズ出雲上り、北斗星下り、北斗星上り、北斗星下り、カシオペア下りと寝台特急5連泊ってのを2年前にしたことがあります。


↑車掌さんが撮ってくれました。

 プラットフォームに着くと昨晩と同じ車掌さんがいました。私を見て「もう帰るのか」と驚いてました。

 成り行きで食堂車の食事を注文し自室でいただきました。イランで食べた食事ではこれが一番うまかった気がします。

 明日の朝、起きるとそこは今回最後の訪問地、首都テヘランです。おやすみなさい。
収支
鉄道切符・タブリーズ→テヘラン -375000IRR
バス タブリーズ→オスクー -15000IRR
タクシー オスクー→キャンドバーン村 -120000IRR
入村料(なぜかタクシードライバーに払う) -20000IRR
バス タブリーズのバザールへ -4000IRR
アーブグシュート -100000IRR
バス バザール→タブリーズ -4000IRR
列車内で食事 -185000IRR

残り
2018000IRR、370$、10000円、35.85MYR

レート
1$=103円 1$=35400IRR(イランの通貨 リエル)
2016.09.12 2016.09.14
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