2013年1月16日 憧れの世界遺産・ボロブドゥールだぁ!! | |
午前4時起床。漆黒の闇に、けたたましいアザーンが拡声器を通して響き渡っていました。これが毎朝のこととなると正直恐ろしい気がします。風情を味わうという次元は過ぎました。夜空に星一つない曇り空。日の出ツアー参加見合わせで二度寝です。 6時起床でボロブドゥールに向かい玄関で20米ドル払いました。遺跡までの道のりが長く観光客をじらしているようであります。歩道を右折するとついにそれは現れました。世界遺産・ボロブドゥールです。 ↑この壮麗なる全体像。1泊2日でも来た甲斐がありました。 ↑遺跡からムラピ山を拝みます。 ここボロブドゥールは大乗仏教の石造建築物です。8〜9世紀前後に50年の歳月をかけて建造されたと考えられています。建造後、1000年以上も密林の中で火山灰に埋もれていたといいます。ですから保存の良さは折り紙つきです。タイのアユタヤとは大違いです。 信心とほぼ無縁な私でも精神浄化作用が働くことを実感できます。アンコールワットといい勝負でしょうか。早速内部に足を踏み入れ丁寧に壁面彫刻を見て回りました。 ↑南東角の隠れた基壇の彫刻です。 彫刻の精緻さはアンコールワットに軍配が上がるのではないでしょうか? もちろんここで見られる彫刻もそれはそれで素晴らしいですが。じっくり見すぎたせいか、頂上にたどり着くころには随分と時が経ち、あたりは地元の学童で大賑わいとなっていました。静けさといい涼しさといい、熱帯アジアの遺跡めぐりは早朝に限りますね。それにしても空洞なしにこれだけの巨石を積み上げるというのも信心あればこそですね。 ↑ようやく天辺にたどり着きました。このストゥーパ群は圧巻です。 ↑穏やかな表情であります。 ↑ストゥーパと私です。 ↑似非宗教家です。 ↑全体像と私です。 さて、名残惜しいですが次がありますので出口に向かいました。しかし歩けども出口が実に遠いです。長い上に蛇行しており、お土産屋さんが無数に軒を連ねてます。何としても観光客の財布の紐を緩めようとしているのでしょうか? 気が抜けません。 ホテルをチェックアウトしてバスターミナルに向かいましたが手元には10万IDR札しかありません。崩すことをかねて朝食を食べに界隈で一番ましな店に行きました。オリーブというフライドチキンのチェーン店です。 ↑今日の朝食です。 食べ終えてジョグジャカルタ行きのバスに乗りました。 ↑結構使い込んだバスです。 途中から乗ってきた現地人が隣に座りました。流暢な日本語をしゃべるではありませんか。この男性、一年前まで安城市のトヨタの下請工場で出稼ぎをしていたそうです。 「JRに乗りましたよ。安城、刈谷、大府、金山、名古屋。まもなく電車が参ります。黄色い線までお下がりください、ですね」 って驚きました。あの東日本大震災も日本で経験したそうです。また日本に行きたいそうですが航空券が高くて行けないと言ってました。私がいくらでやって来たかと聞いてきましたので、関西空港からクアラルンプールの片道運賃15000円を教えたら「安い!!」と驚いていました。インドネシア人もびっくりです。約1時間でジョンボルバスターミナルに到着しました。ここで日本語の男性とはお別れです。トランスジョグジャに乗り換えましたが、ここで昨日の日記でも少し触れました2つのことを報告しましょう。 一つは、地歩に書いてある、ジョグジャカルタ市内からボロブドゥールまでのアクセスが間違っているということです。ジョグジャカルタの南部にあるギワガン・バスターミナルで乗り換えるようにと記されていますが、正しくは北部にあるジョンボルバスターミナルなのです。ボロブドゥールはジョグジャカルタの北西にありますから南部のバスステーションに向かうのは不合理です。幸い私は出国前に下調べをしてましたのでこのトラップに引っかかりませんでした。いずれ修正されることでしょう。 もう一つは、ジョンボルバスターミナルとボロブドゥール間のバス運賃です。片道20000IDRを請求されますがこれは外国人料金です。憶測ですが現地人は6000〜7000IDRではないかと思われます。つまり観光客の足元を見ているわけです。私は公共交通機関にまで二重料金を設定している場面に遭遇したのは初めてです。あのこずるい北インドですら経験しませんでした。恐らくもぐりの二重料金制度でしょう。そういう国であるということです。 さて、北の端のジョンボルから東の端の世界遺産・プランバナンを目指します。距離にかかわらず1回の乗車で3000IDR。つまり30円です。涙が出ますね。途中2回バスを乗り換えましたが乗り換えるたびに切符を買いなおす必要がないのがうれしいですね。日本ではこうはいきませんから。 プランバナンに到着しました。午前と午後で二つの世界遺産を見ることができるというのも古都・ジョグジャカルタならではであります。プランバナンは9世紀建立のヒンドゥー寺院です。この近距離に仏教寺院とヒンドゥー寺院が作られたのは9世紀の中部ジャワの北部を仏教王国が、南部をヒンドゥー教国が統治し王国同士が婚姻関係を結び友好的な交流をしていたからだそうです。 入り口で入場券を買おうとしたら「外国人はこの建物の裏からです」と言われました。言われたとおりに従うと外国人は18米ドルでしたから、約1600円でしょうか。ちなみに現地邦人は30000IDR、つまり300円です。皆さんはこの現実をどうお考えになりますか? もちろんボロブドゥールも同様の値段設定でありましょう。 中に入りました。最大の見所は、天をつんざく如くにそびえるロロ・ジョングラン寺院であります。 ↑真ん中がロロ・ジョングラン寺院の主堂・シヴァ神殿。高さ47メートル。地元民と一緒に。楽しそうでしょ。 このようなとんがり帽子のような建物が密集しております。一見の価値ありです。神殿の外壁には古代インド叙事詩ラーマナヤをモチーフにした緻密なるレリーフが施されています。ガイドなしでは楽しみも半減かもしれません。やたらと広いこの遺跡ですが、北の端へは観覧バスが便利でした。一回5000IDRです。石ばかりを眺めるジョグジャカルタでの一日でありました。 クアラルンプール行きの飛行機は午後5時20分発です。トランスジョグジャで空港に移動して、近くのサークルKでアイスクリームを買いました。「サークルKが進出しているのか」と鵜呑みしてしまいましたが、帰国後に知ったのですが日本のサークルKとはまったく別物なのだそうです。白赤オレンジの3色を使った店舗でしたから鵜呑みにするのも自然なことです。本家は黙認しているということでしょうか? 怪しい国です。また、ポカリスエットがどこでも手に入ります。こちらはコピー商品ではありません。人口3億以上の国ですからこの国で商売できれば大きいですね。そういえばビートたけしさんのポカリスエットのCMはボロブドゥールで撮影されてましたよね。よくうなずけました。 そして驚いたのが喫煙率ですね。いたるところで煙草を吸ってます。バスの中でもへっちゃらです。バスでの喫煙がありえない国で育った身としては衝撃的でした。単に慣れの問題でしょうか。児童喫煙が国際問題化したのもこの国でしたね。よくうなずけました。 そして人が親切でした。いたるところで微笑んでます。微笑みの国とは実はこの国のことではないかと錯覚するほどです。現代日本人との大きな差といえましょう。幸せの度合いが生活水準だけでは推し量れないということを表しているのかもしれません。私はストレスの少ない仕事をして食べていけるので幸せです。実入りも少ないですが。 近隣の東南アジアの国に比べ近代化の遅れを感じました。ゆえに、また行きたいと思うのは近隣の国よりもこの国ということになります。シンガポールに行ったとしても日本と似た国に来てしまったと思うだけでしょう。 ジョグジャカルタの国際空港から出国するに当たって空港使用料100000IDRを徴収されました。クアラルンプールのLCCターミナル(通称LCCT)に再び降り立ちました。入管デスク手前の両替商で両替をしましたがこれは失敗です。出発ロビーの両替商の方が格段にレートがいいのです。3MYRを損しました。みなさんも気をつけてください。 LCCTからバスに乗りKLセントラルに着きました。まだまだ市内の鉄道は動いている時間帯です。LRTでチャイナタウンに移動して宿を探します。安そうなバックパッカーズロッジに行きましたが、日本人らしいヒッピー女性がチェックインをしておりその人でドミトリーが満員となりました。ついていません。しかし一昨日の部屋は30MYRと高目なので泊まるわけにはいきません。あっちウロウロこっちをウロウロしているうちにビル丸ごと安宿となっているレッドドラゴンホテルに着きました。ドミトリー1泊が18MYRです。一昨日もここにすればよかったです。もちろん冷房はありませんが天井にサーキュレーターさえあれば十分なのです。24時間営業のようですしクアラルンプールでの私の定宿が見つかったという感じです。シャワーを浴びて一昨日と同じ炒飯を食べてお休みです。明日はいよいよスリランカに入国です。 |
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収支 | |
ボロブドゥール入場料 20米ドル、朝食(チキン&ライス) 8000IDR、バス ボロブドゥール→ジョグジャカルタ 20000IDR、トランスジョグジャ 3000IDR、プランバナン入場料 18米ドル、プランバナン内観覧バス 5000IDR、トランスジョグジャ 3000IDR、アイスクリーム 11500IDR、出国税 100000IDR、両替 20米ドル→56.3MYR、バス LCCT→KLセントラル 8MYR、LRT KLセントラル→チャイナタウン 1MYR、ドミトリー 18MYR、水1.5L 1.5MYR、炒飯 7MYR 残り 28400円、97米ドル、T/C 400米ドル、40.5MYR、261000IDR |
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2013.01.15 2013.01.17 | |
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