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2013年1月19日 久しぶりにシビアに値段交渉イン シーギリア。
 6時起床、6時15分出発。レンタサイクルを300LKRで借りました。世界遺産・ポロンナルワは10〜12世紀の間にシンハラ王朝があったところです。タイヤビルマからも僧がここを目指したのだそうです。都建設において水の確保は重要です。ポロンナルワの繁栄もしかりで、パラークラマ・サムドラという貯水池が遺跡エリアの南西に造られています。その池に沿って遺跡エリア南方の石立像を目指しました。


↑この石立像は10LKR紙幣の図柄にもなっているそうです。ポロンナルワの王・パラークラマ・バーフ1世の肖像とされていますが諸説あるそうです。

 時刻は8時を過ぎました。入場券を買う時間です。博物館に行って3125LKR(日本円2187円)です。大きく出ました。ボロブドゥールよりも割高であることをこの人たちは知っているのでしょうか? 買う奴いれば売る奴が居るということでしょうか? これで北部遺跡エリアに堂々と入場できます。自慢することではありませんが。まずは遺跡密集地のクワドラングルや宮殿跡を巡ります。


↑クワドラングル内のワタダーケという遺跡です。ポロンナルワが首都になる前の7世紀ごろに造られたといいます。手前のばぁちゃんがいい味だしてます。

 南北におよそ5キロの遺跡エリアを自転車で回るのですが、要は古びた石のオンパレードです。どれをどのようにありがたがればいいのか正直よくわかりません。貧乏旅行にガイドも居ませんし。東の果てシヴァ・デーワーラヤNo2という遺跡に行きましたが周りに誰も居ません。ただ一人、地獄の門番のようなばぁさんがいて手招きをします。何やら祭壇近くで準備をはじめました。これは恐らくこちらのおでことかに朱をぬりこんだりして手間賃をいただこうというやつでしょう。こちらに背を向けている隙にとっとと自転車で逃げました。

 さて、このエリアのメインでありますガル・ヴィハーラに行きました。さすがにここではチケットの再確認があります。涅槃像、立像、座像の3体の仏像が拝めます。順に14、7、4.6メートルもあります。テレビで何度か見たことがありますがやはりテレビではこの大きさはいまいち伝わりませんね。


↑それぞれに趣はありますが、立像の穏やかなる表情が一番ではないでしょうか?


↑後方の高台から立像と涅槃像を撮影しました。3体をひとつの被写体に収めるのも大変なほどの大きさです。曲線の美しさも素晴らしいですね。

 これを見さえすれば宿に帰ってもいいのですが、せっかくお金を払ったのですから地歩で紹介されているところになるべく足を運びたいものです。それぞれの遺跡が点在しており自転車で回るにはそれなりの苦労が強いられます。舗装もされてはいませんので下り坂だと転びそうでおっかないのです。私の貧乏旅行はダイエットもかねていますので丁度いいのかもしれません。

 しかし、お金を持ってる西洋人は違いますね。一人でジープを貸切って遺跡を回っている人がせっせと自転車をこぐ私の横を素通りします。階級の違いを見せ付けられます。これも旅の一こまです。最後に博物館を見学して宿に帰りました。部屋で今月の独演会を見に来てくれたKさんからもらったアップルパイを黙々といただきました。実においしかったです。

 宿の人に次の目的地・シーギリアの行き方を聞きました。主曰く「明日早朝5時にバスが出る。もう一晩泊まりなさい」と言うのです。さすがは商売人です。そんな回答が来るとは思いもよりませんでした。石以外に何もない片田舎に2泊はつりあいません。「わかった」と告げ荷物をまとめチェックアウトをしました。自力で行くことを決めた私に主はキョトンとしていました。バス停でシーギリア方面のバスに乗りました。しばらくすると「ここで降りなさい」と降りると数軒の商店があるだけの道端でした。しばらく待つと南からバスがきました。さっき来た大通りを東に折れてバスはシーギリア方面へと向かいます。このバスに乗り換えてシーギリアに着きました。周遊券があれば夕日のシーギリアを楽しめるのですが残念でした。罪な国です。

 さて、重い荷物からの解放を目指してここでの宿を決めなければなりません。さすがは世界に誇るシーギリアだけあって周囲の宿には満室たなった宿もあって片田舎とは思えない強気の売り手市場でありました。中には1晩・1500LKRなんて馬鹿げてるといった反応をするところもありました。今のところ1400LKRと申し出たところが最安でありました。さて時刻は3時ごろでしょうか? 簡単に折れるのも何なので、しばらく交渉を控えて草むらで休むことにしました。日没に近い時間まで待つのです。時刻が日没に近づくにつれて売り手と買い手のパワーバランスが変わり始めると見込んだからです。空き部屋のままで一晩明かすくらいならお客を連れ込んだ方がいいという焦りを売り手側に持たせたいがためです。4時半近くになったところで活動を再開しました。
「遺跡の近くに1500LKRの宿があるから、僕のトゥクトゥクに乗って」
ときました。部屋を見ないで泊まると決められるわけがありません。
「トゥクトゥク代はどうなるの?」
「泊まればただ。泊まらなければ100LKRね」
話になりません。仕方がないから1400LKRのところに行くことにしました。
「すみません。やっぱりここに泊まります」
「OK.1500LKRね」
「え? 1400LKRって言ってたじゃないですか?」
「いや、1500だ」
相手は譲りません。仕方がないので廊下でくつろぐ西洋人に聞かれないようにするため開いてた扉を閉めて宿の主と二人きりになりました。
「聞いてください。私は先ほど、ここよりも遺跡の近くで1500の宿を紹介されました。それを断ってここに戻ってきたのです。同じなら近い方がいい。1400でどうです?」
どれくらい主は考えたことでしょう。沈黙が続きました。
「OK!!」

 交渉成立です。スリランカでは5つの部屋に寝泊りしましたがここの部屋が一番でした。新しいシーツを運んできてくれたりして実に清潔でした。

 ところで、私が既に泊まっている西洋人客より安い値段で泊まったかそうでないかは分かりません。本当は私からぼったくっているのだけれど、私にはそうと悟らせないで、むしろ「値引きしてくれた」と私に思わせているという高等テクニックを駆使しているのかもしれません。あの時の「お前には負けたよ」という表情自体が芝居だったのかもしれません。だからといってお隣の西洋人に「いくらで泊まったのですか?」とは聞けません。もし私が安く泊まったと西洋人が知れば不愉快になるでしょうし、ここの主人の立場がなくなります。結局、いい買い物をしたかそうでないかは憶測の域を出ないのです。自分は得したに違いないと思い込むしかないのです。人間らしくていいじゃありませんか。こうした頭の体操が帰国後の落語の足しになるのです。


↑この絶景!! 目の当たりにすると言葉を失います。この頂上に都を作った王様が居たというのですから昔の人が考えるスケールは馬鹿でかいですね。
収支
レンタサイクル 300LKR、ポロンワルワ入場料 3125LKR、バス ポロンナルワ→シーギリア中継地 90LKR、バス シーギリア行き 20LKR、水1.5L 70LKR、ホテル 1400LKR

残り 28400円、97米ドル、T/C 300米ドル、3950LKR、18MYR、261000IDR
2013.01.18 2013.01.20
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