2016年09月09日 エスファハーン行きのバスで粘りの交渉術の巻。
 午前6時カーシャーン駅のベンチで起床。出かけよとすると警察官のパスポートチェックを要求される。昨晩とは違う警察官。一日で2度のチェックを受けたのは初めてです。こういうことの積み重ねが「ここは怖い国だなぁ〜」という印象を強くします。


↑朝日に光るカーシャーン駅

 ここカーシャーンには世界遺産の庭園がありますのでまずはそこを目指します。駅から歩いて1キロくらいのバーンズダヘ・ホルダード広場(交差点)からバスが出ているというので徒歩で向います。途中、パン屋さんがあり、焼きたてのパン(というよりナン)を求めてお客さんが詰め掛けてました。


↑窯で焼くナンを求めてお客さんが待っております。国内どこでも見られる朝の光景です。

 途中、ハビーブ・エブネ・ムーサー廟という建物がありました。


↑お馴染み玉ねぎ型の建物。見た目は立派ですが、つぶさに見ると老朽化は著しいです。


↑サファヴィー朝のシャー・アッバース1世の遺体が安置されてます。廟って信者でなければ入れないものですが、ここは間近で見ることができます。

 広場に着き世界遺産・フィーン庭園行きのバスに乗ることができました。20分ほど乗って5000IRRでしたから7分の1$。ということは約15円!イランは交通費が激安とは聞いてましたが本当のようですね。タクシーはそうではありませんが。

 8時過ぎに庭園に着きました。9時開演なので正面の公園みたいなところで時間をつぶしました。周りが原っぱで何もない公園なのですが、そこにはいくつかのテントが張ってありました。家族がピクニックに訪れ一晩ここで過ごしていた模様です。本当に何にもないところにどうしてこんなに大勢がいるのでしょうか?まったく理解できません。あとで確かにイラン人はピクニックが好きな人たちと理解できましたが、いまだにここでのピクニックだけは理解できません。

 午前9時、フィーン庭園開園です。


↑イスラムの庭園といったらこれですよこれ。長い噴水。富の象徴なんでしょうね。周りには糸杉。気候も丁度よく、来た甲斐がありました。


↑「撮れ」というので撮りました。それだけです。

 さぁ、フィーン庭園をあとにして次には伝統的邸宅が密集するエリアがあるというのでそこを目指します。


↑1軒目のトラディショナルハウス。イランもコタツがあるのね。要するに昔の金持ちの邸宅です。日本でいえば豪農の建築物を見るような感じでしょうか。たしかに贅沢です。


↑2軒目。ハーネイェ・ボルジェルディーハーです。19世紀前半に建てられた、カーシャーンの商人ハーッジ・ジャアファル・ボルージェルディー氏の私邸と地歩にはあります。よく分かりません。そうそう私邸というよりは立派な宮殿ね。すごいわ。

 さぁカーシャーンはここまで。南下して一大観光都市エスファハーンを目指しましょう。どこの街でもそうですが日本のそれとは違って長距離バス乗り場は街の中心地にはありません。バスタ新宿がバスタ高井戸になるようなものでしょうか?かえって分かりにくい例えかな?

 バーンズダヘ・ホルダード広場からバスターミナル行きのバスが出ているというのですがそう簡単には見つかりません。キャロキョロしてると交差点でう○こ座りしてた若いあんちゃんが「バスターミナルだろ?任せろ」とのこと。慣れてんのね。面倒くさいので身をゆだねることにしました。40000IRRで連れて行ってくれました。

 エスファハーン行きのバスに乗ると運転手が集金に着ました。200000IRR渡すと切符と15000IRRのお釣りが帰ってきました。しかし切符には手書きで145000IRRとペルシャ文字で書いてあります。あとで知りましたが145000IRRではなく135000IRRと書いてあったのですがお釣りが足りません。他の客への集金に行ってしまったので、細かい金が出来たらくれるのだろうと思ったら甘かったです。バスが走り出しました。

 このままだと、騙し取られること確定です!!

 お釣り50000IRR足りません。ちなみに50000IRRは約145円です。さぁ皆さんならどうしますか?「145円?まぁいっか」でしょうか?それとも「なーにー、いかんてぇー」でしょうか?私、普通の労働者でしたら前者でいいのですが、落語家ですのでエピソード作りのために後者をとりました。

 運転中の相手に交渉するのは危険なので隣にいた助手に訴え出ました。助手は何のことやらで相手にしません。それはそうでしょう。騙した本人ではありませんから。すると、一列目に乗っていた若い青年のお客さんが「どうした?」と割って入ってきました。しかもこの青年、英語が喋れます。事情を片言の英語で伝えると「分かった」と代わりに交渉してくれたではありませんか。約5分後、何も語らない運転手が観念したのか胸ポケットから50000IRRを差し出しました。見事に勝利!!

 イランばかりでなく海外ならどこでもそうですが黙っていると「そこには誰もいない」と同様の扱いを受けますからほどほどに存在をアピールするようにしましょう。

 約3時間バスは南下。車窓から見える山々は枯れ木すらない乾ききった岩山です。

 午後3時過ぎエスファハーンに到着しました。ここから南に数キロが街の中心地です。バスが何台も着きますがどれがどれだかよく分かりません。荷物も背負っているのでタクシーに乗りましたが、乗ったタクシーが異常にボロかったです。


↑イランのボロタク。経済制裁下で大切に使ってるんですね。

 タクシーでエスファハーン最高級のホテル、アバッシーホテルに辿り着きました。まずは宿探しです。年をとったのでしょうか?数年前のインド旅行でしたら宿を数軒回って相場を確かめて選ぶのですが、そういうこともせず一軒目に訪れたパールス・ホテルに泊まりました。シングル39$!私にしては大層贅沢です。昨日は駅で寝泊りでしたから今夜はいいでしょう。

 さぁ観光だぁ!とはいきません。明日の夜にバスでもっと南のシーラーズに行くのでバスのチケットを確保しなければなりません。先ほど降り立ったバスターミナルとは違う南のバスターミナルに向います。ホテルから南へ歩いて3分のところにエンゲラーブ広場という広場があり南バスターミナル行きのバスが出ているそうです。簡単に見つけることができました。

 目当てのチケットをゲットして中心地に戻ります。

 夕刻。ようやく市内観光です。昼間の暑さを鑑みるとこの夕刻こそが絶好の観光タイムなのです。エスファハーン最大のハイライト、エマーム広場に向いましょう。


↑広場の手前のおみやげ屋さん。いかにもペルシャ!って感じ。こわれものゆえに見るだけです。見るだけぇー・・・。


↑世界遺産・エマーム広場きたぁーーー!!南北約500メートル、東西約100メートルの広大な広場の周りに宮殿やモスクがありそれぞれの建物を回廊でつなげ、その左右にはびっしりとお店が並ぶ。写真は広場の東に建つ王室専用のモスク、マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー。

 広場の内部では観光客を乗せた馬車が心地いい鈴の音を鳴らしながら走っておりました。「イラン、怖くないじゃん」って和むには最高の雰囲気でした。


↑広場の南に建つマジェスデ・エマーム正面のエイヴァーン。ここから先は有料ですがこの日の夜は礼拝があり無料で入ることができました。ものすごい数の信者による礼拝は言葉を失うほど厳かなものでした。


↑回廊内のお店です。マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラーとマジェスデ・エマームを結ぶ回廊が職人街で金属加工に勤しむ職人の仕事姿を見ることができます。一番人気は地元客が殺到するソフトクリーム屋さんでしょうか。多分、北海道物産展で食べるソフトクリームの方がおしいいと思うので並ぶのはやめました。

 日も落ち疲れたので宿へ帰ります。明日はシーラーズ行きの夜行バスに乗るまでゆっくりとここに滞在します。
収支
バス 中心地→フィーン庭園 -5000IRR
フィーン庭園入園料 -200000IRR
バス フィーン庭園→中心地 -5000IRR
トラディショナルハウス入場料 -100000IRR
ハーネイェ・ボルジェルディーハー入場料 -150000IRR
白タク 中心地→カシャーンバスターミナル -40000IRR
高速バス カシャーン→エスファハン -135000IRR
タクシー 北バスターミナル→中心地 -100000IRR
ホテル -39$
バス 中心地→南バスターミナル -10000IRR
バスチケット エスファハン→シラーズ -205000IRR
バス 南バスターミナル→中心地 -10000IRR

残金
3485000IRR、470$、10000円、35.85MYR

レート
1$=103円 1$=35400IRR(イランの通貨 リエル)
2016.09.08 2016.09.10
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