2017年12月16日 イラン入国経験者はアメリカ入国は遠い道のりの巻
 普段はアジア方面への貧乏旅行ですが、今回は何と夢のアメリカ旅行!!

 なぜか?

@今回は妻を連れて行くため。まさか妻をイランやバングラデシュには連れて行けない。
A妻は会社務めで、今年が5年に一度の5日間休暇がとれる年。5日間の前後を土日曜日ではさめば最大9日間休暇となり海外に行くことにしたため。
B2017年12月。中世オランダの画家・フェルメールの全作品中約3分の1がワシントンに集結。アメリカに出かける絶好のタイミングだったため。

 海外ではテロ事件が頻発し、トランプ大統領就任で何かと世界情勢は不安定。妻は海外旅行に後ろ向きでしたが、この機を逃すと妻が会社を辞めない限り長期休暇はまた5年後。上記フェルメールの件もあり私が強く誘って出かけることになった。

 まずは日程。とにかく働く妻優先。妻が12月18日(月)〜22日(金)の5日間で休暇をたっとので12月16日(土)に夫婦で出国。12月23日(土)に妻は一人でニューヨークから帰国。私は一人アメリカに残り12月25日(月)、ボストンから帰国。

 後日妻は「私一人で帰国して、夫は一人でボストンに行った」と会社の同僚に言ったところ「あり得ない!!」と言われたそうだ。それが世間の常識なのか・・・と痛感。なぜ別々帰国という非常識を決めたのか?

@妻は12月25日(月)から仕事なので前日までの帰国はマスト。
A私は仕事が12月28日までないので27日までに帰国すればいい。
B折角ニューヨークに行くのだからついでにボストンも行きたい。
C22日、妻が乗ったニューヨーク発の便の航空券は往復総額137020円!! しかし、私が乗った25日ボストン発(シカゴ経由)の便の航空券の往復総額は88170円!! 妻との差額は48850円!! この差額は大きい。

 だから私はニューヨークのJFK空港で妻を見送り、単身ボストンに旅立ったのであった。そんなに非常識じゃないと思うのだが・・・。

 日程は決まったがまだやらねばならないことがある。アメリカに行くにはビザ免除プログラム(13$)に登録しなければならない。妻はあっという間に登録できたが私はそうはいかない。なぜか?昨年単身、イランに行ったからだ。イラン、イラク、北朝鮮、シリア等々、アメリカが敵視する国への入国経験者はアメリカビザを取得しないとアメリカの地を踏めない。たとえ日米同盟が100%機能してても。

 そこで、大阪のアメリカ領事館にでかけてビザ取得を申請。総額18400円!!支払う。バカ高い。このビザは10年間有効で、アメリカへ出かけるたびに必要なビザ免除プログラムは不要となる。10年間で十数回アメリカにいけば元がとれるがしかし、行かないだろうねぇ。ところで、このビザ有効期間に上記敵国に出かけたら、このアメリカビザは無効になるんでしょうかね?怖くて誰にも聞けない。

 次にやることは航空券の手配。ワシントンIN→フィラデルフィア→ニューヨークOUTあるいはその逆で航空券をグーグルフライトで探す。丹念に調べるうちに12月16日(土)早朝にセントレアを出て成田に行き、成田発シカゴ行きのJAL便に乗るとシカゴには16日(土)の早朝に着くという便が浮上。

 シカゴかぁ・・・。シカゴといえば思い出した。シカゴの美術館には門外不出の名画があるぞ。行けるかなぁ・・・? 妻がアメリカに滞在できるのは実質6日間。ニューヨークには最低3日は過ごしたいし・・・。熟慮を重ねおおよその結論を出した。

 16日(土)早朝、シカゴから入国→シカゴ美術館を半日見物→16日晩、飛行機でワシントンに移動し宿泊→17日、ワシントン見物し宿泊→18日、フィラデルフィア見物しその日の晩にニューヨーク入りし宿泊→19日、20日、21日、ニューヨーク見物&宿泊→22日午前、JFK空港で帰国する妻を見送り→22日午後、単身ボストン入りし22日、23日宿泊→23日、24日、ボストン見物→25日帰国。これだ!!タイトだけど。

 上記日程にそって航空券と宿を手配する。日米間の往復はJAL便。(中国系、韓国系の航空会社は格安というイメージだが、実際はそうではなかった)JALのHPではなくアメリカン航空のHPで買うと同じ便でも少し安いのでそっちで買う。宿はワシントンの2泊、ニューヨークの4泊、ボストンの2泊をエクスペディアで予約し、ボストン以外は前払い。あと、フィラデルフィアにある印象派絵画の殿堂、バーンズコレクション(要予約の美術館)の入場券をHISのHPで事前購入。そして、ワシントン→フィラデルフィアとフィラデルフィア→ニューヨークはバス移動。アムトラック(都市間鉄道)は絶対に乗らない。遅れるし高いし。バスは事前購入すれば安い!!特にメガバス。

 要するにパックツアーじゃないので全部自分で手配するのね。実はこの仕込みの過程がものすごく楽しい。ネットをぐぐればぐぐるほど新たな発見があるのだ。こんな抜け道がある、こうすればこれだけ節約できるのか・・・とか。

 この日、我々夫婦が乗った便は以下の通り。
JAL3082 中部国際空港 8:15→成田 9:25
JAL 10  成田 10:50→シカゴ 7:30

 16日(土)の朝、中部国際空港を出て、シカゴには現地時間16日(土)の朝に着く。よって即、シカゴ美術館を楽しむことが可能となる。体力的にはちょっときついが・・・。

 いつもはLCCのせまっくるしい座席だが今回はエコノミーでも広々。非常口そばのシートだと前列シートがなく足が自由に伸ばせるのだ。わざわざ事前にそのシートを指定しといたら、妻にはことのほか好評だった。よかったよかった。やはり、わが国の航空会社はいいね。食事もいい、言葉も問題なし、CAも欧米や中国系みたいに横柄じゃない。やはり海外旅行はこうでなくてはいけない。アルコール飲み放題!!

 ついにシカゴ・オヘア空港に到着。入国手続も滞りなく無事入国。シカゴ美術館を訪れ午後4時発のワシントン行きの便に乗るためには、午後3時までにオヘア空港に戻らねばならない。とっととメトロに乗って市街地に向う。

 シカゴ美術館の最寄り駅に到着するが開館は午前10時30分。1時間以上待たねばならない。駅降りてすぐのマクドナルドに入り時間をつぶす。コーヒーSサイズを頼んだら日本ではMサイズに相当する大きさの物が出てきて最初のアメリカの洗礼を受ける。国際社会での態度のでかさはコーヒーのサイズにまで反映されているのかと。


↑10時30分、シカゴ美術館開館。

 切符とガイドブック、そして荷物預け代(無料ではない)を払う。ここで小さなトラブル。大人1枚を頼んだのに相手が大人2枚でカード決済してしまった。気がついてすぐに返金手続してもらう。あとで確かめたら少額損する形の返金となっていた。なんてこったい。

 メトロポリタン美術館、ボストン美術館、そしてシカゴ美術館がアメリカ三大美術館だそうだ。日本人が拵えた概念じゃないか? 世界三大ギタリストも日本人が勝手に拵えた概念だし。印象派と20世紀アメリカ美術の宝庫。この館でもっとも有名で、門外不出の傑作がこれ↓

↑ジョルジュ・スーラ作 グランド・ジャット島の日曜日-1884

 これがシカゴに行かないと見られないというのは知っていたので、グッドタイミングなシカゴ着便があることを知った段階でシカゴ美術館弾丸ツアーを画策。知らなかったらワシントンか、ニューヨークへ直行だったと思う。覚えててよかった。西欧絵画好きは必見だわ。入国初日で長年の夢がかなった。しかも夫婦で見られて。妻置き去りでは、いくら絵が素晴らしくても気が引ける。

 この美術館が特に魅力的なのは、フランス人で私が最も好きな画家であるエドゥアール・マネの絵画が充実。大判サイズの絵がごろごろ。

↑マネの自画像

 筆跡を残す素早いタッチにもかかわらず絶妙な質感がそこにはある。唯一無二。私、大好きなんです。


↑これくらいの大きさのマネ作品がたくさんって!! 日本じゃ考えられないね。


↑エドワード・ホッパー作 ナイトホークス

 アメリカの美術館だから当然アメリカ美術も充実。私の頭の中で最初に出てくるアメリカ作品はホッパーのナイトホークス。これいいねぇ。

 一日掛けてじっくり見たいのだけど、空港へ急がねば。なにしろ、シカゴのオヘア空港はアメリカ屈指の混雑空港だそうで。メトロに乗って午後3時前には到着。

 実は今回の旅行計画中に知ったのだが、アメリカ国内便の預け荷物は全て有料で一律25$!! LCCじゃなくてもよ。ちょっとムカッとするけど仕方ない。妻はキャリーバッグで、私は大きいリュックサックにしたのはこれが理由。妻のは預け荷物にするが私は持ち込みにして無駄な出費を避ける。

ユナイテッド航空 UA2380 シカゴ 16:00→ワシントン・レーガン空港 18:57

 15:30。空港のセキュリティーは混んでいた。搭乗最終時刻が15:45!!まずい。日本の空港みたいに「お急ぎの方はこちらにお回りください」なんて誘導はこの国には皆無。あせっていると後ろから、急いでいる客が追い抜いて行った。「そういうことか」と真似る。自発的に行動せねばここでは「自分は存在しない」も同然なのだ。大厳重なセキュリティー(靴脱ぎも強制的!!)を潜り登場口を目指すが運悪く遠い場所。夫婦揃って走った走った。締め切り5分前に間に合った。何とか夫の威厳を保つことに成功。

 搭乗したらキャビン内はガラガラ。急いだ分、拍子抜けした。

 無事、ワシントンに到着。メトロで市街地に向う。明日の観光も含め、どの切符を買うのが効率よいかも事前に把握。これやらないと、適当な切符買って「あぁ、あの時、あれにしとけばよかった」てなことになる。

 ホテルはユニオン駅から少し北のNew York Ave-Florida Ave-Gallaudet U駅そばのヒルトンINN。道に迷っていると妻があっさり見つけてくれた。ありがとう。

 海外の宿選びはいつでも博打だ。しかし、今回の宿は大当たり!!であった。立地よし、広くて綺麗でツインベッド、冷蔵庫完備。すぐとなりには大きなスーパーマーケットあり。これで一泊11500円!! 宿不足の日本ではありえない価格。東京なら倍以上払わないと泊まれない。またもや夫の威厳を保つことに成功した。

 水、ビール、サラダをスーパーで買い、持ち込んだ食料を部屋でいただき下着を洗い就寝。部屋で飲んだカールスバーグは実にうまかったねぇ。多分、初日のタイトなスケジュールを思惑通りにこなせた安堵がそう感じさせたのね。多分。

 明日は、いよいよ多数のフェルメール作品と対面。おやすみなさい。 
今日の収支
自己所持金 +170$ +11870円 +100$(夫婦共同出資の財布。以後共同財布と表記)

名鉄 鳴海→中部空港 -870円
シカゴメトロ オヘア空港→市内 -5$×2=-10$(共同財布)
マクドナルド コーヒー -1.39$ リンゴジュース -1$ 税-0.27$ 
計-2.66$(共同財布)

シカゴ美術館 入場料 -25$ ガイドブック -6$ 荷物預け -1$ 
計-32$(カード払い)
※上記32$のところを、大人2名分を含む57$×114.61403=-6532円がカードから徴収されてしまうアクシデント発生。大人2名分を1名分に訂正してもらい後日+2755円が返金された。

シカゴメトロ -3$×2=-6$(共同財布)
ユナイテッド航空荷物預け -25$(カード払い) -25$×114.6=-2865円
ワシントンメトロカード -10$×2=-20$(共同財布)
サラダ -3.79$
水1ガロン -1.29$
カールスバーグ500ML×4 -7.69$(共同財布)
拾う +0.17$(共同財布へ)

残金 +170$ +11000円 共同財布 +48.74$
旅支度 2017.12.17
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