2017年12月20日 NY定番2箇所を満喫の巻
 NYの名所と言えばどこか? ありすぎて選べないという声が聞こえてきそうだが、ここではメトロポリタン美術館とブロードウェイミュージカルとしておこう。

 私は普段、お芝居見物に関心が薄い性質なので当初、本場といえどミュージカル観覧はパスしようと考えていた。しかし、NY訪問経験のある実家の兄が「一度は必ず行け」と強く勧めてきたことに加え昨日、ブロードウェイのあるタイムズスクエアを訪れたところ、その雰囲気に圧倒され「やはり見といたほうがいいかも・・・」と思い始めたのであった。

 ちなみに1000人規模の劇場での公演をブロードウェイ(38劇場)、500人規模だとオフ・ブロードウェイ(50数劇場)、さらに小規模でオフオフ・ブロードウェイとカテゴライズされており、毎日上演しているという。これが毎日稼動してビジネスとして成立しているというからすごい。全人類相手に商売しているから成り立つということか。わが国の首都、東京は何かと「全てが一番である!」とふんぞり返ってるが、少なくともショウビジネスに関しては地方だ。ローカルだ。完全に。

 さて、言葉に障壁を持つ立場としては楽しめる公演がとても限られる。クリント・イーストウッドが映画化したことでも有名な「ジャージー・ボーイズ」は渋谷で見たことがあるので今回は回避して、私が選んだのはキャロル・キングの生い立ちを描いた「ビューティフル」である。キャロル・キングの歩んだ軌跡はそこそこ知ってるし、何しろ彼女が作った名曲の数々は昔から耳馴染みがあるので、退屈はしないだろうと思った次第。

 そこで昨夜、ホテルの部屋でブロードウェイ・チケットの入手法を勉強した。毎朝10時、会場のチケット売り場でラッシュチケット(当日限りの格安チケット)なるものが並んだ順に買えると判明。一人40$とお値打ち。このチケットを狙うことにした。

 ホテル出発前、ホテルの朝食ビュッフェがサービスで付いていることを知った。昨日気がつけばよかったが・・・。

 今日はメトロポリタン美術館に入り浸りとなるので、事前に昼食を調達する。日本のようにどこにでもコンビニがあって値段に見合ったものが手に入るというわけではない。そこで、ホテルに近いセブンイレブンを検索すると最寄のメトロ駅から東へ一つ目の駅から徒歩5分のところにあると分かり、わざわざメトロに乗って出かけた。9時半にはブロードウェイに着きたいことを逆算してホテルを出た。

 お陰でお目当ての切符がペアで買えた!これで安心してメトロポリタンへ行ける。


↑これがチケット

↑会場で配られていた小冊子

 メトロポリタン美術館、お一人25$。コレクション総数は200万点以上。ギャラリー数は世界最多。それでも全コレクションの4分の1を展示するのがやっと。当然、一つ一つをゆっくり見るわけにはいかず事前にある程度、的を絞る必要がある。開館時間は日〜木が午前10時から午後5時30分。金・土が午前10時から午後9時。閉館1時間前に切符を買っても同じ25$であることを考えれば、開館間もない時間に入場した方がいいし、当日のみ有効となれば、午後9時まで楽しめる金・土に行くのがベスト。我々は水曜日だった。しかし、これだけの規模なんだから3日間有効とかにしてもらいたいものだが。


↑セントラルパーク内の敷地にそびえる美術館。

 まず日本のフロアに行ったら驚いた。ガンダムの模型が展示されていた。あれは一体、何が狙いなのか?

 エジプト、ローマ、ギリシャも気になるが時間が限られてるので、やはりここは西洋絵画が中心になりる。

 ベラスケスの大きな作品だけでも何枚あったか・・・。その近くにはエル・グレコもと。いちいち感動してたら体力が持たない。

 
↑ヒエロニムス・ボスが2枚。大きい作品じゃないから気を張って見ないと通り過ぎてしまいそう。

  

  
↑ここにもエドゥアール・マネの作品が「これでもか!」と並ぶ。いつでもこういう作品とアクセスできるってうらやましいね。


↑ジョルジュ・スーラ作。これも名作ですね。


↑ここにもフェルメール。

 貧乏性なのでなるべく全てを目にしようと奔走して大変疲れた。やはりこの規模は最低3日に分けて見るべき。自分の人生でそんなチャンスがあればいいのだが・・・。

 午後5時30分で閉館。お名残惜しい。

 ミュージカル開演まで時間があるので、グランド・セントラル・ステーション内のニューヨーク・トランジット・ミュージアム・ギャラリー&ストアに行った。メトログッズが買えるとのこと。ロンドンのメトロなような洒落た品物が手に入るのかと思いきや、規模もさほど大きくなく、欲しいものが見つからず。

 42St.Shuttle(メトロ)に乗ってキャロル・・キングのブロードウェイミュージカル会場があるタイムズスクエアに移動。入場前に、妻には予想されるおおよその粗筋を伝えた。そうしないと、退屈するだろうから。

「主役の恋人はジェリー・ゴフィンと言って、作詞家でのちに離婚」
「その二人のボスがドン・カーシュナーといって超大物プロデューサー」
「離婚後、西海岸に渡ってシンガーソングライターに転身。ここで超ビッグヒットを生み出す」
「超大作を引っさげて、NYのカーネギーホールに凱旋」等々、ざっとこんな説明をしておきました。

 会場は7割くらいの入りだったか? ニール・セダカは出てくるわ、ライバル役でバリー・マン&シンシア・ワイルが出てくるわ、ライチャス・ブラザースが「振られた気持ち」を熱唱するわで楽しい楽しい。知らない曲が一つもなかったのが凄い。この時代の曲は若い頃から聞き続けてきたからね。大滝さんや山下さんのおかげ。本当に。

 それに加えて、妻置き去りという事態も避けられたようで。本人曰く「意味も分かったし、よかった」とのこと。こっちもよかった。

 ミュージカルには疎く初見だが、それでも「あぁ、これが本場か」というのが伝わってきた。日本人がそれに近づこうと何世紀かけても、埋めきれない「溝のような何か」がありそうだ。間違いなく。アピール下手としての性格を古来有する日本人には追いつけない、仮に近づいたとしてもそれは「亜流でしかない」という宿命を自覚せねばならないというか。仮に欧米人が落語や歌舞伎をマスターしようとしても、完璧に同一なものを拵えられないということと構図は同じだろうか。

 しかし、日本人の中にはミュージカルを我が物としようとする演者や観覧者は多いという意味でメジャーなエンタメなのだが、落語や歌舞伎を我が物としようとする欧米人はほぼ皆無ゆえにそれ自体が実にマイナー。欧米人にとって、私がこの日感じた「追いつけない、辿り着けない」という悲哀を感じる機会は少ないのかもしれないと思ったのであった。

 筋金入りのミュージカル苦手男をもってしても本場ブロードウェイーの魔力に完全にやられてしまった。

 部屋に戻り今晩も風呂、洗濯、食事にバドワイザーで乾杯。ハードワーク、お疲れ様! 
今日の収支
ベッドメーキングチップ -2$(共同財布)
セブンイレブンのサンドウィッチ -4.34$(共同財布)
妻から返金 +22$
ミュージカルチケット -40$×2=-80$
キャッシング +190$(21561円+利子51円=21612円)
妻に-50$渡し+5500円受け取る
メトロポリタン美術館 -25$
メトロポリタン美術館日めくりカレンダー -9.25$
水1ガロン -2.5$(共同財布)
バドワイザー1L -2.5$(共同財布)

残金 115.75$ 16500円 共同財布 1.69$
2017.12.19 2017.12.21
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