3月28日 最初の世界遺産マハーバリプラム。そしてはじめてのSleeper・・・。

↑昨晩泊まったSri Krishna Lodge

 起床5時40分。インド観光初日の朝を迎えた。ここカンチープラムはインド・ヒンドゥー教7大聖地の1つという。世界遺産でもないのに見たくなったのは、名著である妹尾河童著・河童が見たインドで紹介されていたからだ。主要4箇所の寺院を朝6時から見て回った。10時にはここを離れ他に行く予定なのだ。


↑ヴァイクンタ・ペルマール寺院

↑エーカンパラナータル寺院(高さ60メートルのゴープラム)

↑ワラダラージャ寺院

↑カイラーサナータ寺院
(訪問順)

 4つが市内にバラバラに点在するためオートリクシャー(屋根つき3輪車タクシー)をチャーターしなければならない。ガイド本では4つの寺院めぐりで300Rが相場という。とりあえず4つのうち2つは自力で回った。

 中でも2番目に訪れたエーカンパラナータル寺院は印象的だ。高さ60メートルのゴープラムが圧巻だ。一番凄いゴープラムが見られるのはここからもっと南の町、マドゥライに行かねばならないが今回はパス。南インドに来れば一度は特大ゴープラムは見ないことには始まらない。さて残り2つの寺院はオートリクシャーをチャーターした。220R。まぁそんなもんか。

↓町の風景はこんな感じ。
  

  


↑インドは小売店文化。

↑インドの水がめもカラフルになった。

↑ペンをくれというので子供達にあげた。

↑バススタンドはこんな感じ。

 チェックアウトを済ませ、10時に急いで世界遺産・マハーバリプラム行きのバスに乗る。バスで2時間。道も悪けりゃ渋滞も重なりこれくらいかかるのだ。

 マハーバリプラムに到着。今晩はここには泊まらない。見たらすぐに町を出る。こういう旅の予定を立てると困るのが重い荷物をどうするかである。背負ったまま見て回るたわけにはいかない。こういう場合はどうするか? 有力な方法が1つある。それはレンタサイクルを借りてそのわかりに荷物を預かってもらうという方法だ。昨年、世界遺産のカジュラホで覚えた方法だ。

 キョロキョロしてるとバイクに乗ったおじさんが「レンタサイクル? いいよ。うちに来い。1.2ドル(約100円)で貸すよ。荷物も預かるから」ときた。じゃぁお願いとバイクにまたがりつれてってもらう。中心地から少し離れた奥まったところにそのロッジがあった。するとおやじが「着いたよ。じゃぁ、レンタサイクルは120R(約204円)で、荷物は部屋に入れて鍵するから50R(約85円)ね」ときやがった。おいおい、さっき1.2ドルって言ったじゃねぇか。この口先いんちき両替師め!! 「ダメ!! 俺帰るわ」「そうか。しかたない。バイクに乗れ」と、世界遺産の海岸寺院玄関まで連れて行ってくれた。お金も要求されずに別れた。意味が分からん。時間は無駄になったが移動はタダになった。だまされた?だました? よく分からん。これがインドだ。

 海岸寺院の切符売り場に「中に入るからこの荷物預かって」と頼んだがダメだった。レンタサイクル屋を探しなおすことにする。何とか見つけた。「自転車貸して」「75Rね」「荷物預かって」「いいよ」 終了!! 荷物問題解決である。

 サイクリング、サイクリング、ヤッホーヤッホー!! ここは海岸だ。海岸寺院に戻る。もう無理なお願いはしないから安心して切符を売ってくれたまえよ。インドは全国の世界遺産を共通価格250Rとしている。ちなみにインド人はその10分の1くらいである。確かここでは40Rだったか。露骨な人種差別こそ世界遺産でないか?

 海岸寺院。インド洋を望む海岸にかつては7つの寺院が建っていたという。今たった1つだけが残っている。
 ←こんな景色のど真ん中に、


↑こんな寺院が出てくる。

↑引きで撮影するとこんな感じ。

 写真では伝わりないが初夏のインドだ。正午過ぎだが、はっきりって酷暑だ。だからこの寺院を目の前にして私は思った。

「寺はいいから、海、入りてぇーーー!!」

 インドの歴史の奥深さに思いを巡らせるより、獅篭兄の別荘の内海の海を思い出してしまった。ここまで来て内海とは・・・。トホホ。海風による侵食が進んでおり最後の1つも「見るなら今のうちに」というやつだ。そういえば、酸性雨でタジマハールが溶けるって聞いたことがあるけど同じようなことかな。この寺院は8世紀のもので、パッラバ朝時代につくられたという。このような尖ったピラミッド型の寺院は南インドにおける特徴なのである。

 もう1つの世界遺産エリア・ファイブラタ遺跡を訪れた後、インド屈指の奇怪な風景を見に行く。

↑これだ!!

 写真ではよくわからないだろうが、ここは坂の上である。坂の上の石である。雲ではない。かつて王様が10頭の象を使って下ろそうとしたが失敗したそうだ。成功したら象が轢かれて死んじゃうよ。クリシュナのバターボールという。なぜバターボールかというと裏に回ってみるといい。


↑バターボールをナイフで切ったかのようになっているのだ。

 さぁ手持ちのルピーがつきてきた。空港ではレートが悪いため2000円だけルピーに換えた。街中の両替商で100ドルのT/Cを4900Rに替えた。やはり格段にレートがいい。500R札が9枚と100Rが4枚だ。高額紙幣地獄だ。札を小額紙幣に取り崩す悩みが増えた。

 一応、説明しておこう。500Rを差し出すと「偽札ではないか?」と疑われるばかりか、受け取ってもらえないことだってある。加えて、バスや電車、食事をそたり水を買うときに500Rを出すとものすごく嫌がられるのだ。またオートリクシャーのような、事前交渉で値段が決まるような場合、高額紙幣はまったく役に立たない。例えば30Rで乗せてもらったとしよう。手元に500Rと100R紙幣しかないとする。支払の時に100Rを使うしかない。素直に70Rのお釣がくればいいが正直者ばかりとはかぎらない。本当は50Rだと言い出したりする場合がある。そうなると大変だ。返せ、返さないの押し問答が延々と続く。ところが、手元に10R紙幣がたくさんあればどうだろう? 30R渡してさっとその場を去ればいい。ここインドでは小額紙幣をたくさん持つこと自体が1つの武器なのである。

 さぁチェンナイ中心地をめざそう。21時発の寝台特急に乗らねばならない。来た道を戻るのだ。バスでマハーバリプラム→チェンガルパトゥ、チェンガルパトゥ→タンブラム。タンブラムからは因縁のローカル鉄道に乗る。普通はチェンガルパトゥからチェンナイへダイレクト便のバスに乗るのだが、チェンナイのバススタンドは市内中心地から少し外れる。中心地に行くためにオートリクシャーとの交渉ごとが加わってしまう。お金が無駄だ。むしろタンブラム駅から頻繁に出ているローカル鉄道に乗った方が一気に中心地に入れるというわけだ。タンブラム駅に着いた。


↑チェンガルパトゥのバス停。裸足の人多いね

↑ここが因縁のタンブラム駅。あの野郎はいずこへ?

 チェンナイパーク駅に到着。寝台特急が出るチェンナイセントラル駅までは徒歩5分。順調順調。駅で夕食。売店のHot idlyというのがおいしそう。


↑米粉の蒸しパンとカレーのセットだ。24Rは実にお値打ち。現地人に混じって手で食べる。お腹を壊す心配はないだろう。火が通っているのだから。そしてドリンクバーへ。とにかく一日熱くてね。ライムソーダがどうしても飲みたくなった。でも火が通ってないものは大丈夫かな? 飲んだよ。うめぇーーー。お腹、大丈夫でした。たったの20R。

 マイソールEXPのSleeperクラスに乗車。寝台車では最低クラスである。値段も安い。11時間近く乗って377円はお値打ち。ただし、あなたは耐えられるだろうか? このクラスは、枕なし毛布なしシーツなし冷房なしのカーテンなし!! プライバシーがないのだ。周囲すべて現地人。私のような外国人は皆無である。このクラスの使用は初めてだ。緊張するなぁ。身包みはがされたらどうしよう・・・。昨年だったら震え上がっていただろう。荷物は寝台の下の隙間に置きチェーンでぐるぐるにしばり南京錠でロックする。これをするとしないとで安心感は大きく異なる。

 しかし、使ってみたから分かったよ。まず、問題なし。節約重視なら使用価値大。さほど怖くないし、風が入ってきて涼しいのだ。むしろ早朝は冷える。ヒートテックを着て寝たくらいだ。早朝、隣のインド人夫婦が大声で喋り続けた。私は歩み寄り、「お静かに」と口に人差し指を立てお願いした。夫婦は恐縮していた。どっちが現地人だ?

支払金額(1R=1.65円)
カメラ撮影代(ワラダラーシャ寺院) 5R、オートリクシャー貸切 220R、カンチープラム→マハーバリプラム(バス) 31R、レンタサイクル 75R、海岸寺院入場料 250R、水(1L) 17R、マハーバリプラム→チェンガルパトゥ(バス) 14R、チェンガルパトゥ→タンブラム(バス) 19R、タンブラム駅→チェンナイパーク駅(鉄道) 7R、Hot idly 24R、水(1L) 12R
合計 694R
T/C100ドル→4900Rに両替

残高
34825円、2.3MYR、4917R、120ドル、T/C550ドル
2012.03.27 2012.03.29
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