3月29日 バスを間違え来た道を戻る。宿が行きずり。 |
29日朝、夜行が終点マイソールに到着。途中、南インドの大都市・バンガロールを経由したのだがギリギリまでどちらで降りるか迷っていた。 というのは、マイソールの見所は市内および郊外にまで広がっており、個人で回るよりは観光局主催のバスツアーを利用した方が効率がいい。マイソールのそれは朝8時半スタートである。夜行の到着は8時ジャストなので調度いいかと思いきやここはインド。日本ではない。 定刻に到着するとは限らないのである。 間に合わなければ個人で回るを選択せざるを得なくなる。そこでバンガロールで降りてバンガロール発のマイソールツアーに参加すればより確実ではあるが、バンガロールとマイソールの往復が実に長く、再びバンガロールに戻るというのも面倒な話だ。今晩は翌日の観光の都合上、マイソールに泊まりたい。明日はマイソールから北へ3時間のハッサンを起点に3箇所回る予定なのだ。ベストは夜行が定刻にマイソールに着きツアーに参加することだ。 夜行は20分遅れでバンガロールに到着した。しかし、停車時間は40分なので、遅れはここで回復できるのだ。よし、 マイソールに行こう!!こうなりゃばくちだ。 夜行はバンガロールを出発。途中駅で10分遅れ。次の駅で20分遅れ。終点手前の駅でついに30分遅れ。ばくちに負けた。早々にあきらめた。しばらくすると車窓には、インド特有の青い寝台用の車両がたくさん現れた。これは大きい駅に入る予兆だ。まさか・・・。えっまさか、 定刻でマイソール到着!!逆転でばくちに勝った。 ↑マイソール駅玄関。 ツアー窓口は駅から徒歩10分だ。リクシャーのセールストークを蹴散らし蹴散らしいざ窓口へ。 「8時半からのツアーお願いします」 「あぁ、今日はあんた一人だけだから中止ね」 「がーーーん、知らなかった」 私はばくちに負けて、勝って、ついに完全に負けた。 くじけません。インドの神々は極楽への道がいかに険しき道であるかを教えてくれているのです。即座に明日の予定を本日決行することにした。リクシャーをひろい長距離用バススタンドに行く。ハッサン行きのバスはどれか? 目の前の車掌に「このバス、ハッサン?」「そうだ。乗れよ」ときた。一発一中。お見事。すごいぞ俺。ガイド本に書いてある通りに3時間で終点に着いた。そこは実に大きなバススタンドだった。ロッジや売店、荷物預かりのクロークサービスまである。やった。重い荷物を預けて3箇所の寺院を巡ってここに戻ってこよう。20Rで預ける。 目指すのは山のてっぺんに巨大なゴマテーシュワラ像が立つジャイナ教の聖地だ。近郊都市、チャンナラヤパトナに向かう。ガイド本にはここハッサンから45分という。現地の人にどのバスかを聞くと「違うバススタンドだ。あのバスに乗れ」というので従った。到着したバススタンドでバスの車掌に「チャンナラヤパトナ?」「そうだ。乗れ」ときた。我ながら順調順調。出発して車掌が切符を売りに来た。「チャンナラヤパトナまで落語家1枚」といい100R札を渡すと「あと8R足りない」というではないか。45分の乗車で100Rを越えるというのは聞いたことがない。仕方ないので8R渡す。切符を手にした。見て愕然とした。そこには、 「バンガロール→チャンナラヤパトナ 108R」と書いてあるではないか!! あれ、ハッサンってこんな大きな街だっけ?とか、まったく疑問がわかなかったわけではなかったが、まったく気がつかなかった。何がばかばかしいって、夜行できた道をわざわざ戻ってしまったというわけだ。だったらバンガロールで夜行を降りてりゃよかったじゃん。 あぁ、もう荷物を預けてしまった。今日はジャイナ教の巨像を見たところで観光は終了だ。そこで日没になってしまう。残り2つの寺院はどうする? 巨像を見てバンガロールに戻るのか? わけが分からなくなってしまった。歯ブラシも着替えもバンガロールに置いてきてしまった。とはいえ今夜戻るわけにもなぁ・・・。頭ん中真っ白。 バスは3時間かけてチャンナラヤパトナに着いた。バスを乗り換えジャイナ教の聖地に向かう。30分で着いた。そこには大小2つの山がそびえている。バススタンド右手にある大きい方の山(143メートル)の頂上にその巨像が立つ。 ↑こんな感じの山である。 この石像は981年に切り出されたものだという。本当か? 新しく見えるけど。一枚岩からの石像としては世界最大級とか。石像が裸なのは教義の「無所有」をあらわすという。登るには614の石段を登らねばならない。真昼間に登ると熱くて足の皮がむけるそうだ。 ↑この石段も切り開いたものである。 ↑でかいよ。写真じゃ伝わらんが。全裸は無所有を意味するというが中央には立派なものを所有している。 ↑これなら伝わるか。 ↑この景色を見ていると今日の地獄のツアーをしばらく忘れてしまう。本当はこの景色を今日の正午ごろに見るつもりだったのに。もう17時を回った バンガロールには戻らない。ハッサンに着いたころには日没だ。ガイド本によるとバススタンドの2回にロッジがあるというがそんなものは見当たらない。ウソばかり書きやがって。まぁいい。近所にロッジがある気配なし。人気のありそうな方向へ歩いていく。20分ばかり歩くとにぎやかな街に出た。ロッジ発見。「シングルに泊めてください」「300Rね」「高っ!!値段表にシングル180Rって書いてあんじゃん」「それ満室。デラックスの300Rしかない」とな。もういいよそれで。どうもだまされているような気がすんだよな。チェックインを済ませるとインド人の客が来てチェックイン手続きを始めた。その人の部屋をチラッと見たが私よりグレードが落ちていた。私は間違いなく嵌められたと思う。したくもない贅沢にふて寝してやろうと思ったが近くの部屋から大音量が鳴り止まず。行きずりの部屋でこれじゃぁまるで宿屋の仇討ちだ。 支払金額(1R=1.65円) マイソールでオートリクシャー 30R、マイソール→バンガロール(バス) 97R、クローク 20R、バンガロール・サテライト→シティバススタンド(バス) 7R、バンガロール→チャンラナヤパトナ(バス) 108R、チャンラナヤパトナ→シュラヴァナベルゴラ(バス) 10R、シュラヴァナベルゴラで靴預ける 2R、シュラヴァナベルゴラ→チャンナラヤパトナ(バス) 10R、チャンナラヤパトナ→ハッサン(バス) 29R、ホテル 300R、水(2L) 28R 合計 641R 残高 34825円、2.3MYR、4276R、120ドル、T/C550ドル |
2012.03.28 2012.03.30 |
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