3月30日 マイソール宮殿。インドの大金持ちはえげつなく半端ねぇ。 |
日の出前の5時半に宿を出る。玄関はシャッターが閉まり下働きの青年4人がロビーの床で雑魚寝していた。どこのロッジも早朝はこんなもんだ。部屋すら割り当てられない。階級社会の一端を垣間見る。 ここハッサンからハレービードという街をめざす。石造りの寺院があると聞く。バススタンドで行き方を聞くと別のバススタンドに行けという。インドではよくあることだ。バスで違うバススタンドに行く。ずいぶんとボロイ。あぁ、建物の2階にロッジ発見。ガイド本に書いてあったロッジとはこのことだったのか。昨夜は罵倒してごめんなさい。ここなら相当安かったろう。今更遅い。 ↑この2階にロッジがある。実に安そう。 ↑朝から新聞配達に精出す青年たち。 ↑こんな感じのバスに乗ります。 ここでハレービード行きに乗り換えた。1時間で着いた。バススタンドの目の前に目的のホイサレーシュワラ寺院があった。105年を要し1121年に完成。寺院内のろくろ型の石柱が何より見所であるが、外壁を覆う石像の密度も言葉を失う。これで拝観料が無料ときたもんだ。京都とは違う。わざわざ来た甲斐があった。 ↑寺院全体。 ↑ろくろ状の石柱群は見る者を圧倒。 ↑精緻な彫刻。 次はここから西へ16キロ離れたベルールをめざす。リクシャーがさかんにセールスをかけてくる。いくらとられるかわかりゃぁしない。バスを待てど来やしない。30分はゆうに過ぎたか。どこからか「ベルール、ベルール、ベルール」と叫ぶ声あり。振り向くと、 ↑これが止まってた。 乗り合いジープだ。値段はバス並み。文句なしに乗る。 インド人すし詰め。インドですしは食えないけれど。前列にドライバーと自分を含め4人。見ると運転手が隣の男性のまたぐらをまさぐっているではないか。白昼堂々と。あぁ、ギアチェンジか。凄い生命力だ。少しでも多く稼ぐためにここまでやるのだ。15Rで到着。ここにはチェナケーシャヴァ寺院がある。1117年建立。ろくろ状の石柱、外壁にある石造の密度は先ほどと同じ。ガイド本で紹介されていた鏡を見る美女を無事発見。書いてあるときっちり見ておきたいって思うんだよね。 ↑少し小ぶりのゴープラム。 ↑寺院全体。 ↑鏡を見る美女発見。寺院正面に鎮座する。 ここで午前10時を回った。マイソールに向かう。4時間だ。これなら昨日、マイソール見物にしときゃぁよかったよ。 午後2時過ぎ。マイソール到着。宮殿そばで降ろしてもらった。ここで滞在初めてやしの実ジュースを飲んだ。台湾で飲んだ時にはうまいともなんとも思わなかったがこれがインドではうまいんだな。生理食塩水といったところか。インドこそ、ポカリスエットが爆発的に売れるんじゃないか?と思ったものだが、このやしの実ジュースが食文化として根強く生きている以上、販路拡大は難しいかもしれない。確か、マレーシアとかでは売れてんじゃなかったかな? マイソール宮殿に入る。外国人200R、現地人40R。ここでも差別的だ。何とここには多国籍のオーディオガイドがある。もちろん日本語も。早速利用した。これがいいんだ。この宮殿の歴史、展示物の詳細がよーーーく分かる。入国初日からいろいろな観光スポットに行ったが、必ず玄関で「ガイドは要らないか?」と誘いをかけられる。しかし皆断っている。英語が分からないからだ。そのフラストレーションをここマイソール宮殿は解消してくれる。 前宮殿の焼失により、1897年から16年かけてイギリス人設計士に依頼し建てられたのだという。インドに電気が伝わったのは1906年だそうだから、マハラジャが入宮した初日から電気が使えたのだという。この地を治めたマハラジャは国内屈指の大金持ちであったそうで宮殿の半端でない豪華奢侈ぶりに触れればよくわかる。西洋的にしてヒンドゥー的。異文化混合コロニアル建築の圧倒的美の世界にしばらく身をあずける。疲れをすっかり忘れてしまった。昨日は合計8時間もバスに揺られたというのに。あれじゃぁ単なるバス見学だ。 2階に大勢が詰め掛けられる床が木でできたテラスのようなところがあった。腰掛けて一休みした。しばらくするとそこに修学旅行なのか大勢のちびっ子たちが押しかけ騒ぎ始めた。するとけたたましいホイッスルが鳴り響く。「入っちゃダメェ!!」と警備員。どうやら立ち入り禁止エリアに入っていたようだ。私が誘導したようなものだ。すまん。 ↑マイソール宮殿入り口。 ↑見よこのでかさ。私と宮殿。 もっとマイソールの他の見所を訪ねたかったが昨日のうそつき車掌のせいでここらあたりが潮時となった。あきらめてバンガロールに戻るとしよう。歯も磨いてないし。 長距離用バススタンドに歩いて行った。バンガロール行きのバスに乗った。バスは出発時間まで動かない。しばらく外を眺めていると驚いた。インド初日、チェンガルパトゥ行きのバスに乗ってきた西洋人がバススタンドを歩いているではないか!! 他人か? いやよく似てる。間違いないだろう。こんなことがあるのだろうか? 実は、旅仲間同士で偶然再会するということはよくあることなのだ。お互い訪れるところは同じであり、宿が密集しているエリアを目指す。観光客同士、再会するということはいくらインドが広いといえどもよくあることなのだ。しかし、あの西洋人はあきらかにここインドの生活者だ。だから驚いているのだ。とはいえ声は掛けられず。そこまで英語が堪能ではない。んー、同一人物かなぁ? わからん。 バンガロール到着。幸い、昨日荷物を預けたバススタンドが終着だ。荷物を引き出し、街の中心部へ。ガイド本の宿情報がそれほど詳しくない。バンガロールシティバススタンド(通称マジェスティック)近くがよかろうと歩き回り宿を確保。シングル340R。ちょっと高いが仕方ない。つかれきっている。南部の宿はユニークだ。チェックアウトが24時間後なのである。今、21時を回っているから明日の21時がチェックアウトである。明日の午前ではないのだ。これは助かる。明日の夜行はここを21時出発だ。シャワーを浴びてから乗車できる。南部のホテルバンザイ!! 支払金額(1R=1.65円) ニューバススタンド→オールドバススタンド(バス) 4R、ハッサン→ハレービード(バス) 19R、草履預けのチップ 1R、ハレービード→ベルール(乗り合いジープ) 15R、草履預けのチップ 1R、ベルール→ハッサン(バス) 29R、ハッサン→マイソール(バス) 89R、やしの実ジュース 15R、マイソール宮殿入場料 200R、マイソール→バンガロール(バス) 97R、水(2L) 25R、クローク延長料 20R、サテライトバススタンド→シティバススタンド(バス) 7R、ロッジ 340R、 合計 862R 残高 34825円、2.3MYR、3414R、120ドル、T/C550ドル |
2012.03.29 2012.03.31 |
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