4月2日 ここゴアで野宿をすればどうなるものか。やればわかるさ。寝るぞーーー!!
 6時半起床。昨晩、ホテルのマネージャーが「うちのロッジの前から午前7時にパッタダカル行きのミニバスが出るよ」と教えてもらった。5分前にロッジを出た。しかし、待てど来ない。怒らない。だってここはインドだから。バススタンドに行く。出発したばかりのバスが目の前に来た。「パッタダカル?」「そうだ。乗れ」ときた。

 40分で目的地に着いた。世界遺産・パッタダカル。7〜8世紀に建てられたヒンドゥ寺院のうち、北方型と南方型が混在するため岩や石に疎い私ですら見分けがつくという素人受けする遺跡なのだ。「シカラ」と呼ばれる本殿の屋根の形に特徴があり、北方型は曲線的な砲弾型(カジュラホとか)、南方型は直線的なピラミッド型(海岸j寺院とか)をしている。直感的に分かるというのだから要するに、インド遺跡版i-phoneといったところだ。


↑砲弾のような形をしたのが北方型。

↑ピラミッド型は南方型。

↑地元に人々によるお祈りが行われていた。

 入ってビックリ。観光客ゼロ!! 世界遺産独占だ。マイケル・ジャクソンでもあるまいし。

 午前9時には見終わった。これから暑くなり始めるため朝早い時間の観光が一番である。

 帰りのバスがなかなか来ない。すると、となりの貧民街の中から少年が出てきて「チョコレートくれ」」と迫ってくる。チョコはないけどこれならあるとペンをあげた。ペンを受け取った少年はもう一言。「チョコレートをくれ」とくる。「ないよ」と答えると「じゃぁペンくれ」って、今やったろバカモン。バカモンだからいつまでたってもバラモンを追い越せないのだ。

 バスの変わりに小型乗り合いバスが出るらしい。乗った。既に満員なのに途中から乗ること乗ること。とにかく乗る。これじゃぁビックリ日本新記録だよ。私はバーダーミの轟二郎を襲名しよう。乗り心地悪く、大勢乗るからさぞ料金は安いだろうと思いきや、渡した20Rをとっとと受け取り行ってしまった。これじゃぁ、バスの方が快適だ。わからん。

 ホテルを出てチェックアウト。次の目的地・ゴアをめざす。しかし、ガイド本にはゴアへの行き方が出ていない。自力で探すより他にない。ホテルのマネージャーに聞いてみた。聞くと直行バスが午後6時に出るという。まだ午前中よ。待てない。じゃぁ途中の街を教えてというとハブリに行けという。なるほどそこまで出れば頻繁にゴア行きがあるということか。ハブリをめざそう。


↑ハブリに向かう途中のバススタンドの様子。

 3時間かけてハブリに到着。現在時刻は15時半。ゴア行きを尋ねると別のバススタンドだという。ここはオールド。だからニューバススタンドに行く。切符売り場で「ゴア1枚」というと、「ゴア? 21時までバスはないよ」というではないか。はぁ??? 今16時じゃん。5時間待ち? バカバカしい。鉄道にしよう。オールドバススタンドにバスで戻り、バスでハブリ駅に到着する。「ゴアに行きたいのですが?」「23時45分ね」 バスの勝ち!! 夕食を屋台で食べ、水を調達。ニューバススタンドに戻る。仕方ない。あと3時間待つとするかとベンチに横になった。

 18時40分。「パナジ、パナジ、パナジ!!」の大声に起こされる。パナジとはゴアの別の言い方だ。ゴアの中心地をパナジというのだ。わけがわからん。21時まで2時間20分あるぜ。まぁ深くは考えず乗るとするか。あっ、もしかして待ち時間が2時間20分ってことないよね。よかった。18時50分出発。

 それにしてもハブリとゴアの間をどんどんバスが通っているのかと思ったが間違っていた。本数も少ないわけだ。だって道の半分近くが舗装されていないのだ。真っ暗な凸凹山道を終わりなく突き進む。何時に着くんだこれ? 席がすいてたので横になって寝てしまった。トラクター道をバスが行く。我が国とは逆の“人からコンクリートへ”を早く実践してもらいたい。たった232キロを6時間。パナジに着くともう日付が変わっていた。

 さぁこの旅最大の危機が来た。宿はみんな閉まっている。ビーチにも行けない。完全に足止めだ。日の出まで街は動かない。ここが鉄道駅なら待合室で待てばいい。しかしここは野外のバススタンドだ。どうにもならない。仕方がない。とりあえず市内中心地をめざそう。野犬が吠えること吠えること。怖かった。昼はおとなしいけど夜になると豹変するね。立川流・最後の試験の怖さの比じゃないよ。タクシードライバーが声をかけてきた。「どうした?」「宿を探している」「今か? この時間に? それは無理だ」と、あきれられた。現地人をあきれさせた。旅のレベルはそこまで来た。午前2時。決めた。

私、ここに野宿します!!

 野宿っていつ以来かなぁ。そうだ。北京五輪における長野での聖火リレーの前の晩以来だな。もちろん海外で野宿するのは生まれて初めてだ。よりによってインドで。蚊が凄いんだ。スキンガードを塗りたくり、入眠剤を飲んでベンチにゴロン。

 目が覚めたら5時半だった。無事だった。しかし今は反省している。まずい判断だった。何せ、腹部に7〜8万円の財産とパスポートがあるのだ。ハブリに泊まるか、鉄道で行くか、オートリクシャーに頼んで宿を探してもらうべきだった。もうしない。

 バススタンドに戻りビーチをめざした。

支払金額(1R=1.65円)
水(2L) 25R、バーダーミ→パッタダカル(バス) 18R、世界遺産入場料 250R、パッタダカル→バーダーミ(乗り合い小型バス) 20R、バーダーミ→ハブリ(バス) 65R、オールドバススタンド→ニューバススタンド(バス) 5R、ニューバススタンド→オールドバススタンド(バス) 5R、オールドバススタンド→ハブリ駅(バス) 7R、水(2L) 25R、屋台で夕食 10R、ハブリ駅→オールドバススタンド(バス) 7R、オールドバススタンド→ニューバススタンド(バス) 5R、ハブリ→パナジ 165R
合計 607R

残高
34825円、2.3MYR、1869R、120ドル、T/C550ドル
2012.04.01 2012.04.03
Index
TOPへ戻る